2016年8月 60代 女性 左膝の痛み

症例9

数年前から膝の違和感があり、時々痛むことがあった。
病院で変形性膝関節症と診断をうけて、痛み止めの薬と湿布を
処方されていた。

来院の2日前にいつもよりも多く歩くことがあり、加えて慣れない車の運転を
長時間したことでその日の夜から膝に強い痛みを感じ
翌朝には強い痛みで動けないほどになってしまった。
自己流でマッサージや温熱を行ったが改善されず、来院。


症状の経過と施術内容

初回、来院時は杖をつかないと歩けない状態であった。
患部に強い熱感、発赤、腫脹と炎症反応がみられた。
動かせない膝に動きをつけることを目的に
臀部にあるツボと背中にあるツボ。炎症を抑えるために
手にあるツボに鍼をした。

施術後、大きな変化は見られずに一回目は終了。
翌日に2回目の施術。前日より多少動きの改善が見られたものの
炎症はまだ強く残る。

2回目から1日空けて3回目の施術。

2回目施術後から、動き、痛みともに急速に改善した、
歩き方もだいぶスムーズになっていた。

4回目の施術は、前回施術の5日後に行った。

痛み、動きもほぼ正常な状態にまで改善し、炎症反応も
なくなっていたため施術を終了した。


使用した主なツボ
膝根・内眼裏・T9(1)・後谿


考察

痛みの発症時に自分自身で行ったケア(マッサージ・温熱)
症状を悪化させていたと思われる。
適切な処置をしないとこのような事態が起こるので注意が必要。
何も患者さん自身のケアの話ではなくて、炎症の強い患部に
直接手を加えることは、時に火に油を注ぐ行為になりかねない。

当院での鍼施術は痛いところに直接鍼をすることがほとんどないので
症状を悪化させることはきわめて少ない。
膝の変形があっても、動きを改善させることができれば痛みも解消される。

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